1、資金調達

(1)開業資金

 日本政策金融公庫の『2014年度新規開業実態調査』によると、開業資金の平均値は1,287万円となっています。

 開業資金には、大きく次の2種類があり、それぞれ分けて考える必要があります。

①  開業準備資金: 開業に必要な事務所や店舗の保証金・設備投資費用などに係る資金

②  運転資金  : 開業してから必要となる仕入や従業員給与、家賃などに係る資金

 開業準備資金で最も大きなウェイトを占めるものは、店舗や事務所の保証金・権利金・仲介料、内装工事・設備導入費用です。特に設備投資については、大半のケースで、予算よりも実際支出額が膨らむ傾向にあるため、数社の見積もりを比較して慎重に導入ルートを検討する必要があります。

 運転資金は、仕入や賃料、従業員給与、水道光熱費や通信費の他、事業主の生活費も考慮に入れます。事業には予定外の出費はつきものですから、最低でも6か月の運転資金は必要と考えてください。

 弊所では、ご開業に伴う設備投資の見積りやテナント情報も提供させて頂きます。

  

(2)資金調達先

 最有力の借入先はご親族となりますが、政府系金融機関である日本政策金融公庫や都道府県融資は、新規事業育成という政策的配慮から、低利かつ長期の条件が受け易くなっています。

 また、銀行や信用金庫などの民間金融機関から融資を受けるためには、一般的には担保や保証人を求められますが、信用金庫や信用組合・地方銀行は中小企業の資金調達に前向きに取り組んでいるため、調達可能性が比較的高い機関と考えられます。

 ただし、いずれの金融機関から借り入れるにしても、ビジネスの青写真ともいえる事業計画書や資金計画書の提出は必須です。

 弊所では、事業計画書の作成や金融機関との折衝をサポートさせていただきます。  

 

  

 

 

(3)助成金  

 代表的な助成金としては、新たに創業する事業者や第二創業を行う事業者に対し、創業に必要な経費の一部を助成する制度として、経済産業省中小企業庁の『創業・第二創業促進補助金』というものがあります。

 当該補助金は、創業に必要な経費の一部を国が助成する事業であり、女性や若者に配慮した助成金です。

 ただし、「助成金」という性質上、各種要件を満たしたうえで開業後数か月後に支給されるものです。

  弊所では、社会保険労務士と提携し助成金申請手続きもサポート致します。

  

 

2、諸官庁への届出(一例)

(1)税務署 

①個人事業の開廃業等届出書

②所得税の青色申告承認申請書

③青色専従者給与に関する届出書

④所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

⑤給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書

⑥源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

  

(2)県(府)税事務所

事業開始・廃止等申告書

  

(3)市区町村役場

①事業開始・廃止等申告書

②国民健康保険被保険者資格取得届

③国民年金保険被保険者資格取得届

④配偶者の種別変更届

  

(4)労働基準監督署

①労働保険保険関係成立届

②労働保険料概算保険料申告書

  

(5)ハローワーク

①雇用保険適用事業所設置届

②雇用保険被保険者資格取得届

  

(6)年金事務所

①健康保険・厚生年金保険新規適用届

②新規適用事業所現況書

③健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

④健康保険被扶養者(異動)届 

 1、資本金額の決定

 法人税法および消費税法等では、資本金基準により捉えた中小企業を優遇する措置が採用されています。とりわけ資本金額が1億円以下の中小企業は、資本金額が1億円超の法人に比して税制上の優遇措置が多くあります。下図は当該優遇措置の一例です。

 

 

2、事業年度の決定

 事業年度の決め方にルールはありませんが、下図のように納税スケジュールを根拠とした資金繰り基準の他、設立当初に多額の設備投資があり、消費税の還付を受ける場合などには顧問税理士と綿密に打ち合わせをして事業年度を決定する必要があります。

 

 

3、設立形態の比較

法人を設立する場合、以前は株式会社としての設立が大半でしたが、近年は合同会社での設立も増加している傾向です。

設立形態によるメリット・デメリットには以下のようなものがありますので、ご自身が経営を行っていく上で要件に合うものをご検討下さい。

 

 

 

4、諸官庁への届出(一例)

(1)税務署 

①法人設立届出書

②青色申告承認申請書

③たな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

⑤給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書

⑥源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

⑦消費税簡易課税制度選択届出書  

 

(2)県(府)税事務所

 事業開始・廃止等申告書  

 

(3)市区町村役場

 事業開始・廃止等申告書

 

(4)労働基準監督署

 労働保険保険関係成立届  

 

(5)ハローワーク

 雇用保険適用事業所設置届

 

(6)年金事務所

①健康保険・厚生年金保険新規適用届

②新規適用事業所現況書

③健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

④健康保険被扶養者(異動)届 

 

 


 

 

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